キャッチコピーは、企業姿勢や販売戦略が見える大きな指標です。今回は普段からよく利用している「吉野家」のキャッチコピーについて紹介していきます。吉野家の企業文化や、キャッチコピーの変遷、吉野家キャッチコピーの魅力について掘り下げていきます。

吉野家のキャッチコピーの凄さを伝えたい。

うまい、やすい、はやい
吉野家

松屋、すき家と並んで、大手牛丼チェーンの1つである吉野家。まずは、いま使われている吉野家のキャッチコピーについて見ていきましょう。

吉野家のキャッチコピー「うまい、やすい、はやい」

分かりやすくて、勢いがあって、まさに牛丼ならではの手軽さをテンポよく表現しているキャッチコピーですね。牛丼そのものの「ベネフィット」を訴求しながら、お店が目指すコンセプトまで訴求しているキャッチコピーだと思います。このキャッチコピーに込められたが、ホームページに書かれていました。

吉野家には独特の企業文化があります。目に見えない吉野家文化の一つ「客観的、論理的な思考」。抽象的な表現を嫌い、客観的データや論理的思考をコミュニケーションの手段として使っています。一般的に、数字や客観的なものさしによる基準がないと、物事を感覚的に評価してしまいます。感覚的な基準では正しい判断ができなくなり、皆がそれぞれ自分のエゴを主張するようになってしまうため、吉野家は、実に様々な場面で数字や論理的思考によるコミュニケーション手法が体の一部として身に付いているのです。

吉野家公式ウェブサイト

抽象的な表現をなくすことにこだわっていたそうで、どのようなお店でも目指すべき迷わない指針を打ち出すためのコピーだったんですね。また、吉野家は創業当初からコピーを何度も変更していることはご存じでしたか?

吉野家のキャッチコピーの変遷

「はやい、うまい」(1958年~)

1958年から使われていたキャッチコピー。築地市場から始まった吉野家が、忙しい魚市場の人の腹を満たすために「はやい」というところに価値をおいていたそうです。

「はやい、うまい、やすい」(1968年~)

1968年から使われていたキャッチコピー。牛肉価格が落ち着いたこともあり、「安さ」という新しい価値もプラス。また、この時の順序は「お店に入ってからの会計までの流れ」で決まっていたそうです。

「うまい、はやい、やすい」(1994年~)

1994年から使われていたキャッチコピー。店舗拡大で牛肉の供給が間に合わなくっていた当時の吉野家は、フリーズドライをブレンドした牛肉を使っていたり、また冷夏の影響でお米不足になったため、お米もタイ米をブレンドするそうになったそう。そこで味の質が落ちたことを反省し、「うまい」に価値を置いたこのコピーに変えたそうです。

うまい、やすい、はやい」(2001年~)

2001年から使われていたキャッチコピー。この当時、並盛の値段を400円から280円に大幅値下げ。デフレの影響もあったのか、「安さ」の価値をアップさせたコピーに変えたそうです。

吉野家のキャッチコピーの凄い理由

「〇〇い、〇〇い、〇〇い」という吉野家の「客観的・論理的な思考」という企業文化を変えないフォーマットの中で、時代に合わせて形容詞の順序を柔軟に変えていくという、「変える、変えない」を同居したコピーというのが、本当にすごい発明だと、改めて感じた吉野家キャッチコピーでした。

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