ツイッターで、カネボウのこの投稿が話題になっていました。

〖KANEBO新ブランドCM公開!〗
化粧なんて何のためにするのだろう、と言う人がいる。
化粧で喉は潤せないし、お腹だって満たせない。
それでも、わたしたちは化粧をする。
美しさのため?
誰かのため?
あなたは、何のために化粧をする?

そして、その新CMがこちらです。

「化粧なんて、何のためにするのだろう」というキャッチコピーから始まり、日本人だけではなく、様々な民族の化粧を映し出しながら、途中から「唇よ、熱く君を語れ~♪」という力強い音楽をはさみドラマチックに展開。最後に、その冒頭のキャッチコピーに対する答えが、ドンと出てきます。

生きる
ために、
化粧をする。

このキャッチコピーで、CMが終わります。はじめに見たときの印象としては、率直にかっこいいなと思い、「化粧」が「食事」と同等の、人の根源的な行為という力強さを感じたのですが、その反応は個人的には意外なものでした。

すっぴんでも生きられますよ。おっさんたちも化粧しなくても生きてますよね? 女性に呪いをかけてまで化粧品売りたいんですか? マスクにファンデーションが付くのが嫌だったんですが塗るのをやめたら快適になりましたよ。

”活きる”だったら分かります。気分を上げて楽しむツールとしての化粧ならいいと思います。 でも、”生きる”は違いませんか? 私はお化粧するのも、ノーメイクで過ごすのもどちらも好きです。しかし、強制されたり義務として課せられるのはどんな事でも嫌です。 同じ気持ちになった女性は居ると思う

化粧をしないと生きる事も許されないのか、女性は。

「生きるために、化粧をする。」というキャッチコピーの「生きるため」という部分にひっかかってしまった人が多いように感じました。

カネボウが伝えたかった「生きるため」
…明るく、力強く、自分らしく人生を生きるため。

視聴者が感じ取った「生きるため」
…義務感。化粧が欠かせないと断言する違和感。

キャッチコピーのニュアンスが、発信する側と、受け取る側で、意味がかなりズレてしまっているように思えます。特に、「化粧なんて面倒くさいし、できることならしたくない」という人からすると、このキャッチコピーが好ましくないものに映ってしまうのかもしれません。

では、このブランドコピーは、失敗だったのかと考えると、何とも言えない気がします。「じゃあ、化粧は、生きるためではありません」と否定するのも、違うと思うんですよね。それは、あくまでカネボウの化粧の捉え方だと思うので。万人受けするブランドメッセージは、なかなか難しいと思うんです。そのキャッチコピーに賛同する人もいれば、賛同できないと思う人もいるのは、当然のことではあるかなと思います。主張が強ければ強いほど。

「生きるために、化粧をする。」という企業のコピーの意味が伝わり切れていないような感じはしますが、ただ、「誰からも角が立たない言葉で、個性を際立たせる」ブランディングって、本当に難しい技術だなと、改めて感じました。キャッチコピーは、企業や人の言葉になる分、慎重に言葉選びをこれからも考えていきたいと思いました。

言葉がますます、シビアになる時代だなぁという感じがします。

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